「会社員は現代版の奴隷制度だ」
そんな声がある。
高度経済成長期では、日本の経済が右肩上がりだったこともあり
「社員も家族」
と考える経営者も少なからずいた。
社員寮を用意し、福利厚生とは言わないまでも社員の悩みに応え、場合によっては経済的な支援をする。
そこまでされたら「会社のために頑張ろう」と思うのも当然だ。
会社のために頑張るのが、ひいては自分のためになるのだから。
自分が頑張れば会社の売上も上がる。
売上が上がれば自分の給料も上がる。
単純な話だ。
今ではと言うと、多くの経営者は、中間管理職も含めてだが、社員を「代わりがいる存在」としてしか考えていない。
社員の個性や気持ちにまで配慮せず、会社の方針だからと進める。
そして、結果が出なかったり、ミスが出たりすると社員の責任にして、経営者や管理職は責任を取らない。
バブル期には「Japan as No.1」と言われた日本。
多くの企業が海外進出し、有名企業が海外の不動産を買いまくっていた。
まるで、外国企業が日本の地方の土地を買い漁っているかのように。
景気が悪くなると、途端に内向きになり社員を切り捨てる風潮が蔓延していく。
製造業など一部の業種にしか許していなかった派遣社員を、他の業種にも解禁したことで、経営者は喜んで正社員と首を挿げ替えた。
同じ仕事だったら、人件費の安い派遣にやらせろと。
その代わり、肝となる業務は派遣に任せられないので、正社員の負担が大きくなってしまい、辞められたら代わる者がいない状況になる。
その結果が今だ。
会社の基幹業務を担う中堅社員がほとんどおらず、新たな商品・サービスを生み出せない。
基幹業務を担う中堅社員となるべき人材の採用を渋ったことが、今になって完全に裏目に出ている。
経営者のやることは余剰支店・店舗や工場の統廃合と、リストラしかない。
人が減るとさらに基幹業務を担う人材がいなくなり、イエスマンしか残らなくなる。
利益を出せる体質ではないから、会社の将来に見切りをつけて退職者も増える。
この流れはもう止められない。